2023春のドスディアスカミーノの報告

アルベルゲ奥野

4月15日(土)お昼に恵那駅で集合し、雨降る中「「アルベルゲOKUNO」」に向かいました。

 初日は幸いインドア活動で雨を気にせず、お二人からのカミーノ報告を拝聴しました。

 始めに宮嶋嵩さんから、「おっさんの西と東の巡礼道テクテク歩き」と題したポルトガルの道、プリミティボの道、五島列島の教会群を歩いた報告です。

 宮嶋さんは2021年に熊本から五島列島、黒島、長崎と53の教会を巡礼されました。道中他の巡礼者と会うことなく、一人旅でとても寂しい思いをしながらの旅のようでした。それだけに300年余りもの長い間厳しい弾圧に耐え、守り続け、受け継いできた信者の厚い信仰がうかがえる教会を巡礼され、忘れることのない心に残る旅となったと。カミーノと同様クレデンシャルと証明書もあり、素朴な日本版カミーノを知ることができ、私たちの興味、関心を大いにかき立ててくれました。

 二人目の都築節子さんは、「フランス人の道900kmコロナ禍を歩いた70代女旅」と題し、巡礼初体験のエピソードを交えての報告でした。70歳を超し、ずっと経営者として懸命に働き、来し方を振り返る・・そんな旅を今、しようとチャレンジされました。アメリカ育ちの孫がサポートを兼ね同行されました。しかしカミーノ道中色々と意見などの食い違いからぶつかり、つかず離れずの旅になったようです。それで娘さんが心配してアメリカら急遽応援に駆けつけて同行されました。老いた体には800キロの道のりはさすがにつらく、疲れた様子を心配して巡礼者が救急車を呼んでくれたり、コロナに感染したりと、異国で医療を受ける慣れない体験もされました。サンティアゴでは、アメリカ人のお婿さんもフィニッシュを歓迎しようと駆けつけて来られ、家族に祝福され感動の巡礼となったお話でした。

 夜は同じ志を共有したアルベルゲで味わえる仲間と会食に話が弾みました。千葉から大阪まで他県からの参加者が多く、自己紹介を通して、個性に溢れたメンバーの話はエネルギーにあふれ、大いに刺激を受け、コロナで萎えた気持ちを奮い立たせてくれました。 

 16日(日)は雨が上がり、空気が澄み、恵那山には雲がかぶり、絶好の歩きとなりました。城ブームのなか、山城として人気を博している中津川市にある「苗木城」を訪れました。苗木城は、苗木遠山氏により戦国時代1526年頃に、標高差170メートルの花こう岩が多い急峻な地形を活かして築城されています。現在は天守跡に設けられた展望台から、恵那山や木曽川など360度の美しい澄んだ景色を楽しむことができました。頂上では、絶滅危惧種として貴重で華麗なギフチョウにも遭遇し、記憶に残る思い出となりました。

20名の春のカミーノも無事に終わり感謝です。

苗木城